見切りをつけるにしても、つけないにしても、最終的な判断は自分で下すしかない。大事なのは自分に言い訳をしないこと、そして周囲の何者のせいにもしないこと。才能と資質と運がなかったとして、それを持っていなかった自分が責任をとるしかない。厳しいことを言うようだが、「本当は大学院に残って研究したかったんだけど」という捨て台詞はみっともない。「自分はその器ではないと思ってやめました」という人のほうがどれほどすがすがしいか。いずれにしても、ある人が大学教員になろうとなるまいと、世界はそれほど変わらない。それに、誰も「大学教員になってくれ」とお願いしたわけでもないのに、大学教員を志したのは自分であることを忘れないようにしてほしい。やめるのも自分次第。だれもひきとめはしない。もっと優秀な人はたくさんいる。