2018年9月29日土曜日

時間を何に投資するか

時間は有限だが、そのことを意識することは少ない。とりわけ大学院生くらいであと何年生きられるかを意識することはないだろう。

けれど、勉強できる時間は有限だし、研究できる時間は思いのほか少ない。大学に職を得ることを至上目的に頑張っても、大学に入ってからのことを考えていないと多分に苦労する。

個人的には、大学で職を得るまでの貯金で数年間は頑張った(論文にせよ、授業にせよ)。とにかく、常勤職になった途端、こんなにも勉強できる時間が削減されるのかとショックを受けたし、受け続けている。

時間を何に投資するか。いずれ訪れる、勉強できない日々のために投資するべきだ。

2018年9月28日金曜日

当たり年、外れ年

ひとつの公募の合否について、思い悩む必要はない。すばらしい公募は毎年あるし、くだらない公募も毎年ある。問題は、行った先でここは素晴らしい職場だと思えるかどうかだ。問題は、素晴らしいと思える公募に出し、くだらないと思う公募に出さないことだ。

ジャンルによって当たり年、外れ年はある。今年は10件しかなかったのに、来年は50件あるかもしれない。でも、問題は数ではなく、自分が素晴らしいと思える公募かどうかなので、相対評価ではなく絶対評価で判断するべきだ。

2018年9月27日木曜日

面接官は敵か味方か

これはさしあたって重要でない。

おそらく奇数の面接官が配置されているはず。ただし、人事を通すためには全員が一致してその候補を推すことが望ましい(票が割れるとその人事案件が流れる可能性がある)。したがって、敵と思われる面接官もそういう演技をしているのかもしれない。

授業をしていると、興味がなさそうな学生、遅刻する学生を目にすることはあると思う。授業に興味がない人をどうやってひきつけるか、というテクニックもまた必要だろう。大学は一回一回がライブの場なのだから、その技術は現場で磨くしかない。

ともかく、面接官がどんな態度であれ、切り捨てる態度だけは慎むべきだ(それは教育者としてもそうだ)。一般企業の面接でもそういう態度は慎むべきだ。

面接官は、あなたを面接に呼ぶという決定をした時点であなたの味方なのだ。全員を魅了し、籠絡してほしい。

2018年9月25日火曜日

地方か都会か

若い人で、家庭の事情(親の介護、不動産の管理、地縁その他)を別にすれば、最初の公募の際に地方と都会との差を真剣に考えることは意味がない。ようするに、しがらみがない人は地方でも行くべき。なぜなら、最初の勤務先に定年までいる可能性は低いから。もちろん、行った先がいい大学で、住みよい場所であればずっといるべきだ。しかし研究環境や待遇に不満を覚えて次の就職先(転出先)を探すこともあるだろう。その際に、あらためて吟味すればよいので、まずは常勤職を見つける方がいい。

年を取っている人は、もっとシビアだけれども、同じアドバイスに自分の状況を加味して考えるといい。

2018年9月24日月曜日

公募に応募し始めて

当初は出す公募、出す公募、次々と落ちてばかりということになる。

理由は書類の書き方が下手だったり、ターゲットとしている人材が何であるかを分析できていなかったり、単純に自分の業績が少なかったりするため。

面接に最初に呼ばれると非常に緊張する。そしておそらく一つ目の大学では落ちてしまう。でもそれは仕方がない。もっと経験を積んだ、業績の多い、能力の高いライバルがいたのだから。

ただ、気休めにもならないかもしれないが、面接にちらほら呼ばれるようになると、採用は近い。筆者は3度目の面接で現在の大学に就職した。

敬遠される人(採用側から)

(採用側の視点で)

AとBという候補者があった場合、明らかに一方が他方より優れているのであれば選択に迷いは生じない。では、Aはこういうところが、Bはこういうところがいいという場合、その大学が重きを置くポイントが大きく評価される。

要するに、ライバルは自分と同じくらいレベルの高い人なのだから、それにプラスアルファの価値があるべきなのだ。

それが、小手先の技術の場合もあれば、その欠如である場合もある。なぜなら、特に後者について言えば、教員はともに働く同僚を採用するからだ。能力が高くても仕事がしづらい人を取る理由はない。

なので、うそをつく人、体裁を繕う人が敬遠される。

評価するポイント

(採用側の意見を書く)

研究系の大学院であれば研究者を。教育系の大学であれば教育者を。しかし実際にはそんなにはっきり分かれない。研究系の大学でも、研究者ばかりの組成になれば教育者を求める。あたりまえだ。

仮に偏差値が55から65くらいの普通の大学(それでも相当いいのだけれど)を考えた場合、研究者として優れていることは当然だが、授業も上手であることは評価するポイント。たとえば、内容が素晴らしくても学生の興味をひかない、顔を上げない、目を見て話さない、といった人はマイナス。熱意が感じられない人は取れない。入った途端に熱意が芽生えるなんて思えないから。何を評価されるかはわからない。ただ経験として、スペックよりも「人間」を見ていることが多い。なぜなら、最終面接に残るほどの人であれば、スペックがすごいのは当然なので。そこは比較の対象にはならない。