2018年10月31日水曜日

選べないのだが

生きるのに上手も下手もなかれども。

折に触れて、ある研究者のことを思う。ルックスもよく、着眼点もよかった。要するに、学会ならびにその業界で大事にされるべき人だった。その人がいつのまにか追いやられて、気づいたら違う場所にいた。だから、学問の世界は公平でも公正でもないことを知った。今生き残っている人たちの中で、どれだけの人が価値ある研究者だろう。9割はアウト、自分も含めて。運がすべてなら、努力する気も起らないだろうか。それでも、買わなければ当たらない宝くじみたいなものだろうか。誰に会い、誰と仕事をし、何の取り組んだか、それを運だというのなら、大概は選べないのだが、それでも選択の結果なのだ。僕はその人と会って、話をできたことをうれしく思う。