2018年11月10日土曜日

何のために研究するのか

あらためて問うまでもないことだからこそ、あらためて問うてほしい。学者になるために大学+大学院で費やす時間を仮に10年として、教壇に立って教えられる時間を35年と考える。多いだろうか?実際にはもっと多くの時間を学生として費やし、在野の研究者として費やすことになる。実際に教壇に立てる年数は本当に短い。そのうえで、生きがいと言えるものを教育に見出せるだろうか。見出せなくても研究だけでは食べてはいけないはずだ。それでも研究し続けるとするならば、何のために研究するのか? 自分でなければなしえない貢献があるか? 自分でなければできない発見があるか? 自分でなければならない理由はあるか? おそらくないはずだ。世界にはあなたより優秀な人は掃いて捨てるほどある。それでも、と食い下がれるか? 研究者を目指す途中で何度でも自分に問うてほしい。その問いは、自分の学問への態度を磨いてくれるはずだ。